いつも大和養魚をご愛顧いただき、誠にありがとうございます。私たち大和養魚の舞台裏では、皆さまへ最高のうなぎをお届けするため、すでに“ある特別な日”へ向けて準備を重ねております。それが、一年のなかでも私たちにとって最も大切な節目である「土用の丑の日」です。
毎年当たり前のように迎えているこの日、実は意外と知らないルーツと秘密があることをご存知でしょうか?実は私たちが何気なく迎えているこの「土用の丑の日」には、歴史の教科書に載るような有名人が仕掛けた面白い大ヒットの裏話や現代にも通じる深い「食の知恵」が隠されているのです。今回は「土用の丑の日のルーツ」をお話ししたいと思います。
「土用の丑の日」ってどういう意味?
「土用の丑の日」という言葉。ちょっと不思議な響きですよね。これは昔のカレンダーの「季節の呼び名」と「日付の数え方」が合体してできた言葉なんだそうです。
「土用(どよう)」は季節の変わり目のリフレッシュ期間
「土用=夏」というイメージが強いかもしれませんが、実は春・夏・秋・冬のすべての季節にあります。昔の日本では季節が変わる前の「最後の約18日間」のことを「土用」と呼んでいました。次の季節へバトンタッチするための準備期間のようなイメージですね。
その中でも夏の土用(8月はじめの『立秋』の前の期間)は一年の中で一番暑さが厳しく体に疲れが溜まりやすい時期。そのため昔から「いつも以上に体を労わろうね」と特に大切にされてきました。

「丑の日(うしのひ)」は12日ごとにやってくる日
「丑の日(うしのひ)」とは、12日ごとに巡ってくる日のことです。 実は、この土用の丑の日が1シーズンに2回巡ってくる年があり、1回目を「一の丑(いちのうし)」、2回目を「二の丑(にのうし)」と呼びます。なぜ2回もあるのか、その理由はカレンダーの仕組みにあります。昔の暦では、日にちを「子・丑・寅…」という12種類の干支(十二支)で数えていました。そのため「丑の日」は12日ごとに必ず巡ってきます。 一方で夏の「土用」と呼ばれる期間は毎年約18日間あります。
この「約18日間」の中に12日ごとにやってくる「丑の日」を当てはめていくと、その年のタイミング次第で期間の中に2回すっぽりと収まる年が生まれるのです。たとえば、約18日間ある期間の「最初の方(1日目〜6日目)」に1回目の丑の日が来たとします。すると、そこから12日後つまり期間の「終わり際(13日目〜18日目)」にちょうど2回目の丑の日がやってきます。
2025年と2026年の「土用の丑の日」について見てみましょう。


このように「期間の長さ(約18日)」が「巡ってくる周期(12日)」よりも長いため2回発生する年があるのです。うなぎを贅沢に2回楽しめる嬉しい年となりますね。
ルーツを作った天才・平賀源内の大逆転プロモーション
土用の丑の日の意味が分かったところで、次になぜこの日に「うなぎ」を食べるようになったのでしょうか?諸説あるルーツの中でも最も有名で広く知られているのが、江戸時代の奇才・平賀源内の「プロデュース説」です。そこには現代の私たちも驚くようなドラマが隠されていました。
うなぎ屋さんの悲痛な相談から始まった
時は江戸時代。当時のうなぎはこってりとした濃厚なタレで焼く蒲焼きが主流でした。そのため、江戸の人々にとっては「冬の寒い時期にフーフー言いながら食べる、脂の乗ったうなぎ」が最高のご馳走だったのです。逆に、ジメジメと暑い夏は脂っこいうなぎは敬遠されがちでした。ある夏のこと近所のうなぎ屋の店主が平賀源内の元へ相談にやってきます。
「源内先生、助けてください。夏になるとさっぱり売れなくて、うなぎが余って店がつぶれそうなんです…」
平賀源内といえば日本初の発電機「エレキテル」を復元したり、数々のヒット小説を書いたりした当時の最先端を行くマルチクリエイターであり稀代のコピーライターでした。相談を受けた源内は少し考えて一枚の紙にこう書きました。
「本日、土用の丑の日」
この紙を看板(ポップ)としてうなぎ屋の店先に張り出すよう指示したのです。すると、それまで閑古鳥が鳴いていた店に客が殺到しうなぎは大ヒット商品になりました。
なぜこのキャッチコピーが大ヒットしたのか?
実は当時の江戸には「丑の日に『う』のつくものを食べると病気にならない(夏バテしない)」という民間伝承(縁起担ぎ)がありました。例えば、梅干し・瓜(うり)・うどん・馬肉(うま)などです。源内はここに目をつけました。
「夏を元気に過ごすための『う』のつくお守り。せっかくなら、どこよりも体を元気にしてくれるとびきりのうなぎで縁起を担ごうじゃないか」
お店の前に掲げられた「本日、土用の丑の日」という案内は、江戸っ子たちの「『う』のつくものを食べて夏を乗り切りたい」という気持ちと、忘れられていたうなぎを結びつけ大ヒットになるきっかけになったのです。昔からの風習や人々の心理を上手にとらえてうなぎの良さを改めてアピールした源内。この分かりやすいアイデアこそ今でも私たちがうなぎを食べる「土用の丑の日」という習慣の始まりになったのです。これこそが日本の商業史に残る「最古のキャッチコピー・プロモーション」と言われています。
なぜ夏に売れなかったのか?
なぜ平賀源内が仕掛けるまで夏に売れなかったのでしょうか?理由は大きく2つあります。
・「夏うなぎは犬も食べない」と言われていた
当時の天然うなぎは秋から冬にかけて冬眠に備えて脂が乗るため冬が一番美味しい季節でした。逆に夏のうなぎは産卵前などで身が痩せており現代のように養殖技術もなかったため「夏のうなぎは泥臭くて脂もなくてマズい」というのが常識だったようです。
・江戸の蒲焼きは「濃くて熱い」
江戸前の蒲焼きは醤油とみりんの濃いタレをつけて炭火でじっくり焼いた、非常に濃厚で熱々な料理でした。現代のようにエアコンがないジメジメとした江戸の夏にわざわざそんな「重くて熱いもの」を食べたいと思う人は少なかったのです。
そのため多くの人たちは丑の日には、さっぱりした「梅干し」や体を冷やす「瓜(きゅうりやスイカ)」ツルッと食べられる「うどん」ばかりを選んでいました。
源内の本当の凄さとは?
源内の本当の凄さとは、逆風をチャンスに変える発想力にありました。当時のうなぎはスタミナ食材のリストには載っていたものの「夏は素材の質が落ちるし、こってりして暑苦しい」と敬遠される存在でした。しかし源内は「旬ではないのなら、年中行事(縁起担ぎ)の主役にすればいい」と価値観を180度転換。舞台の隅にいたうなぎに「土用の丑の日」というスポットライトを当て、大スターへと押し上げました。
彼の天才的なところは「うなぎを食べて」と直接書かなかった点です。看板を見た江戸の人々は「今日は丑の日か。あの源内先生が言っているのなら縁起担ぎに食べてみよう」と店に殺到しました。源内は人々の民間信仰と売れ残りのうなぎという「点と点」を見事な論理で結びつけたのです。この大繁盛を見た他の店も次々と真似をし、日本中に「土用の丑の日はうなぎを食べる」という文化が定着していきました。
どうしてうなぎなの?実は医学的にも理にかなっていた
平賀源内が広めたとされる「土用の丑の日のうなぎ」。当時はおもしろい宣伝文句や季節のイベントとしての意味合いが強かったわけですが、現代の科学や医学の目で見ると実は「これ以上ないほど理にかなった夏バテ予防食」であることが分かっています。
夏の厳しい暑さで体も心もクタクタになると私たちの体はいろいろな不調のサインを出しますよね。うなぎにはそんな疲れた体を優しく包み込んで元気をいっぱいに戻してくれる栄養素が驚くほどたっぷり詰まっているのです。
| 栄養素 | 主な効果・働き |
| ビタミンA | 粘膜や皮膚を健康に保ち、ウイルスへの抵抗力を高める。うなぎ1串で大人の1日分を補えるほど豊富。 |
| ビタミンB1 | 炭水化物をエネルギーに変える役割。不足すると疲労感やだるさ(夏バテ)の原因に。うなぎは魚介類の中でもトップクラスの含有量。 |
| ビタミンB2 | 細胞の再生を助け、エネルギー代謝を促進。髪や肌の健康を保つ。 |
| ビタミンE | 強い抗酸化作用を持ち、細胞の老化を防ぎ、血行を良くする。冷房による冷え性対策にも。 |
| DHA・EPA | コレステロール値を下げ、血液をサラサラにする不飽和脂肪酸。脳の活性化にも寄与。 |
江戸時代には「ビタミン」なんて言葉はありませんでしたが、経験的に「うなぎを食べると元気になる」ことをみんな知っていたのですね。それを見抜いた先人たちや源内の勘の鋭さには驚かされるばかりですね。まさに先人の知恵と現代科学が一致した究極のスタミナ食と言えます。
もっと話したくなる「土用の丑」にまつわる秘密
「う」のつく食べ物は他にもある
前述の通り、昔はうなぎ以外にも「う」のつくものが食べられていました。
・梅干し:クエン酸が豊富で疲労回復に最適。
・瓜(きゅうり、スイカなど):水分とカリウムが豊富で体にこもった熱を逃がす。
・うどん:食欲がない時でも消化が良い。
これらは「うなぎと一緒に食べることで真価を発揮する」という秘密があります。 例えばうな丼と一緒にきゅうりの酢の物(うざく)を食べたり、食後にスイカを食べたりするのはうなぎの栄養吸収を助け、脂っぽさをさっぱりさせてくれる「最強の食べ合わせ」なのです。これらはよく耳にする話かもしれませんね、
ここでもうひとつマニアックな「う」の秘密もありますので豆知識として聞いてください。
昔の人は「神頼み」や「経験」からこんなマニアックな「う」のつくものも仲間として楽しんでいました。
・梅干しの種(天神様)=【神様への願いを込めて】 梅の種の中にある白い芯に「学問と健康の神様」が宿っていると信じられていました。現代の科学で見ると生の種には少し注意が必要な成分が含まれていますが「神様にあやかって元気に過ごしたい」という、当時の人々の健気な願いが込められた風習です。
・うるめいわし = 【お守りのような安心感を】 病気が増える夏の土用に「海の神様にお祈りをして魔を払うために食べる」というお守りのような存在でした。(ちなみにイワシ自体もうなぎに負けないくらい栄養満点です)
・烏骨鶏(うこっけい)の卵 = 【先人の経験から生まれた知恵】 古くから最高級の薬膳として江戸のツウに愛されていました。実際に烏骨鶏の卵は一般的な卵よりも栄養がぎっしり。先人たちの「食べると本当に元気になる」という体感が現代になって証明された素敵な例です。
当時はうなぎだけでなく、こうした「う」のつく仲間たちを散りばめてみんなで楽しく夏バテを予防していたのですね。
「土用」の期間は「土をいじってはいけない」?
昔の人は土用の期間(約18日間)は「土の神様(土公神・どくじん)が地中にいらっしゃる期間」だと信じていました。そのため、この期間に穴を掘ったり家を建てたりガーデニングをしたりして土を激しく動かすと神様を怒らせてしまい病気や災いがあると恐れられていたのです。
これは迷信のようですが、実は「季節の変わり目(土用)は体調を崩しやすい時期だから農作業などの重労働(土いじり)は控えて体をゆっくり休めなさい」という昔の人の優しい戒めでもあったと考えられています。
今年の土用の丑の日は大和養魚のうなぎで元気に
「土用の丑の日」は単にうなぎを食べる日というだけでなく、古代の思想、平賀源内の大ヒットプロモーション、そして体を労わる先人たちの知恵がギュッと詰まった日本の素晴らしい伝統文化なのです。厳しい夏の暑さを乗り切るために、そして大切な人と楽しい時間を共有するために。
今年の土用の丑の日はぜひこの面白いルーツの歴史を思い浮かべながらうなぎを味わってみてください。
私たち大和養魚は、皆様が健やかに夏を過ごせるよう一尾一尾に愛情を込め最高の環境で育てた自慢のうなぎをお届けしています。職人がこだわり抜いた旨味と栄養がたっぷりのうなぎです。毎日お仕事をがんばっている自分へのご褒美に。 そして「ずっと元気でいてね」と伝えたい大切なご家族やお世話になった方への夏のご挨拶に。今年の土用の丑の日はぜひ大和養魚のこだわりのうなぎを囲んで美味しくて体に優しい特別なひとときを過ごしてみませんか?
丑の日前後はお届けが大変混み合いますので、ぜひお早めのご予約をお待ちしております。皆さまの夏が健やかで楽しい毎日になりますよう心を込めて最高のうなぎをお届けいたします。
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